書籍・雑誌

2011年11月17日 (木)

流転の子

流転の子・愛新覚羅嫮生

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書店で手にした一冊の書籍。 激動の日中史を生き、波乱に満ちた

一人の皇女の半生。 いつまでも心に残る一冊でした。

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建国(1932)から僅か13年で滅んだ幻の帝国「満州国」。 

嫮生の父は清朝最後の皇帝(溥儀)の実弟・溥傑、母は日本の天皇

家と姻戚関係にある公家の名門、嵯峨侯爵家の令嬢・浩。 両家の

婚姻は「満州国」の支配をより強固にする為の軍部による政略結婚

でしたが、二人は終生分かち難い愛情で結ばれます。 

二歳年上の姉は学習院在学中に学友と天城山中で死亡(1932)、

天城山心中として衝撃をあたえました。

嫮生は生後3ヶ月で母と満州に渡り、僅か5歳の時、中国で終戦を

迎えます。 満州国の瓦解、ソ連軍の侵攻、逃げ惑う移民、自決の

覚悟、通貨大虐殺、日本人狩り等々・・・ 

周恩来だけは中日友好に対する執念を持ち「皇族一同の保護」を

指示、陰日向になって一族を守り続けました。 

ソ連軍に戦犯として拘束された皇帝・溥儀と父・溥傑の消息も分か

らず、母・浩はアヘン中毒の皇后と5歳の嫮生を伴い戦後の動乱の

中、中国大陸を彷徨います。 

それは凄惨を極めた1年半にも及ぶ逃避行の始まりだったのです。

 *中央公論新社 本岡典子著

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